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「森の学校 09年 夏の教室」報告
 森の学校の学習活動は、土や水を基本とし、そこに棲む様々な生物が支え合い、自分の役割を果たす事で、自然が成り立つ仕組みを知る事です。
 この夏の教室では、長澤・村上のスタッフから、「子供達に、植生調査らしき事が出来ないだろうか・・」と、提案がありました。
 大人から見たら、真似事のようでも、これまで学習する、土や水や昆虫と繋がり、私が日頃考えている、「身近なところで知る、生命の繋がり」に、格好の新提案でした。

 昨年の春の教室では、角田の提案で、子供達が、人間とシカに別れて、共存のために何が必要か、両グループが激論を交わしました。
 その内容は、「人間の身勝手さと、ワガママを改める事が、まず最初」と言う結論になりました。
 人間の都合で様々な検討を繰り返す私達大人より、子供達の意識ははるかに健全です。

 天候不順と、次の日の予想も外れる天気予報に振り回された夏でした。
 その影響で、森の学校も月末に順延しましたが、それでも、当初の定員30人中、20人が参加しました。


 植生調査地へ集合


 何で僕達ばっかりハシゴを持つの?重いんだから、おいて行かないでよ〜


 100×100の中にある、小さな植物を探します。植物の名前は解からないので、ニックネ〜ムを付けて種類別に記録します。 本当の名前は、その都度、後から教えてもらいます。植生回復柵の中や、外と、回復状況を比較します。




 まだ、調査しているのに、木登りを始めた生徒がいます。みんなの中で、一番、運動神経の鈍そうな涼太郎が、一番高くまで登りました


 今日の事を忘れないうちに、調査記録をまとめます


 いっぱい見つけすぎて、まとめが大変


 僕的には、こんなもんかな


 水生昆虫の学習。まずは何でもいいから見つけなきゃ




 流れの、ゆるい場所、強い場所で、見つかる昆虫も違います。石原先生が見つけたムカシトンボは、成虫になるのに7年もかかるんだって。そのためには、台風や大雨でも沢の形態が変わらない事が大切で、沢の周りの森も大切、と話していました



 お話しの最後は、大物?ゲスト、サンショウウオです。サンショウウオの棲む沢は、水や石が安定していることが大切ですが、最近は、前足や後ろ足、尻尾のないサンショウウオが増えているそうです。これは、沢の周辺の木が切られたり、森が荒れたりして、雨で転がる石が増えたからだそうです。森は大切ですね。


 一生懸命勉強して、動き回って、お腹が減りました。お昼のカレーライス、3杯お替りする生徒もいました。


 土の勉強は地層の確認から。



 土の中に宝石があるってさ・・まず、土を綺麗に洗います。本当に宝石があるのかな?。顕微鏡で覗くと、わ〜、きれい・・。




 沢水や、雨水のphを計ったり、色々な実験もしました。きれいな水は、豊かな土からうまれます。豊かな土は豊かな森が必要です。みんなが支えあう事で、丹沢の自然が守られています。私達も、その支えの一つになりましょう。


 みんな遊んでいるのに、お昼のおかずの魚を焼いています。
 「昨日はハシゴも担いだのに、今日も魚焼き?」「そう、年長は仕方ないの」・・今年は、お天気に恵まれず、勉強より大好きな川遊びが出来ませんでした。
 また、今度ね。君達がいるかぎり、丹沢の自然は豊かです。


 みんなで記念撮影



2009年 ( 森の学校 )夏の教室

大阪コミュニテイ財団・東洋ゴムグループ環境保護基金 助成事業
主催 NPO法人 丹沢自然保護協会
後援 丹沢大山自然再生委員会
 財団法人 神奈川県公園協会
 神奈川県自然環境保全センター
 神奈川県立 札掛森の家

私達が生活する身近にある丹沢で、自然環境と人間の関わりを、各専門分野の先生方と勉強しましょう。

場所 丹沢山 札掛 (宿泊 国民宿舎丹沢ホーム)
日程 2009年8月10日(月)〜13日(木)
参加費23,000円(3泊4日9食他諸費用)大人25,000円
定員30名
持ち物 履物は登山靴かスニーカー、もしくは長靴で履き慣れているもの
筆記用具 着替え タオル 洗面用具 雨具 軍手 懐中電灯
帽子 水着 ビーチサンダル 双眼鏡&ルーペ(持っている人)
都会とは気温差があります。衣服にご留意ください。
10日の登山は初日のため、登山に必要なお弁当や飲み物、雨具などは、あらかじめ小分けしてください。その他、宿泊に伴う荷物は、直接、宿舎まで運びます。
また、保護者同伴と責任の上で学齢前の子供でも参加できます。
なお、すべての予定は天候により変更されます。
申込 丹沢自然保護協会・丹沢ホーム 中村道也
電話 0463-75-3272 メール n-tanzawa@nifty.com
丹沢自然保護協会 http://www.geocities.jp/tanzawasizenhogokyoukai/
国民宿舎丹沢ホーム http://homepage2.nifty.com/tanzawahome/


 <講師>
石原 龍雄箱根町 森のふれあい館
越地 正 神奈川県 自然環境保全センター
鈴木 藤子神奈川県公園協会 秦野ビジターセンター
長澤 展子神奈川県公園協会 丹沢湖ビジターセンター
村上 美奈子神奈川県公園協会 秦野ビジターセンター・他
原島 範子神奈川県公園協会 丹沢湖ビジターセンター

 <スタッフ>
中村 道也丹沢自然保護協会理事長
木村 聖 丹沢自然保護協会 県立森の家
山口 喜盛丹沢自然保護協会理事
吉津 邦子丹沢自然保護協会
柳沢 美果子丹沢自然保護協会
村上 真一早稲田大学創造理工学部
米山 直樹早稲田大学創造理工学部
堤 侑子早稲田大学創造理工学部
他 丹沢自然保護協会会員&学生スタッフ
   
当協会は1960年設立し、様々な活動を継続していますが、会員はもとより、参加者においても無事故で現在に至ります。
子供を対象にした森の学校は、他の活動に比べ、安全への配慮からスタッフも多く配置しています。 しかし、自然の中での活動は予期せぬ危険も伴う事を充分ご理解の上、万一の事故等に際しては、保険適用を持ってのみ、 責任とさせて頂く事をご了解の上、ご参加ください。

 日程表
10日 登山
9:00小田急線秦野駅(南口) 時間厳守
10:00菩提峠出発、登山開始
12:00三ノ塔到着、昼食
16:00札掛到着
17:00自己紹介・部屋割り 入浴 夕食 入浴 自由時間
21:00就寝
通常4時間弱のコースを勉強しながら6時間かけて歩きます。
お弁当や飲み物を忘れないでね。また、山にはトイレがありません、駅や登山口のトイレを利用しましょう。

11日 野外学習 (土・水・水生生物)
6:00起床、つーちゃん体操
7:30朝食
9:00野外学習
12:00昼食
13:00野外学習
16:30ネズミトラップ設置・入浴
18:00夕食・入浴
19:30丹沢のお話しとスライド
21:00就寝
自然環境の基本を学びます。
2班に分かれ午前と午後で入れ替えます。ビショビショのドロドロになります。

12日 植生調査
6:00起床、つーちゃん体操
7:30朝食
8:30植生調査
12:00昼食
14:00終了 まとめ
自由時間 入浴
18:00夕食・入浴
19:30暗闇教室
21:00就寝
私達のふだんの生活が、知らず知らずのうちに、丹沢の自然環境に様々な影響を与えています。
昨年は、大気汚染による、ブナの立ち枯れなどの学習をしました。
今回は、野生動物と植物の関係を勉強します。

13日
6:00起床、つーちゃん体操
7:00朝食
8:00部屋掃除 荷物整理
9:30水遊び
各班でカマドつくり 魚を焼いて、ご飯を炊いて昼食
12:30感想文
14:00閉校式
14:30出発
15:30秦野駅南口着(予定)

 参考として、これまでの活動など、「丹沢自然保護協会」 
 「丹沢ホーム」 「森の学校」のHPをご覧下さい。