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2012年(夏の教室)
今年のテ〜マ 「森林の役割」― 8月13日〜16日

主催  NPO法人 丹沢自然保護協会
後援丹沢大山自然再生委員会
協力公益財団法人 神奈川県公園協会
神奈川県自然環境保全センター
神奈川県立 札掛森の家

【講師】(予定)
 石原 龍雄 箱根町 森のふれあい館
 越地 正 神奈川県 自然環境保全センター
 柳川 美保子神奈川県公園協会 秦野ビジターセンター
 長澤 展子 神奈川県公園協会 丹沢湖ビジターセンター
 村上 美奈子神奈川県公園協会 秦野ビジターセンター

【スタッフ】(予定)
 中村 道也丹沢自然保護協会理事長
 廣石 洋介丹沢自然保護協会
 廣石 幾丹沢自然保護協会
 柳沢 美果子丹沢自然保護協会
 加藤 三郎県立森の家
 犬木 一斗
 他 丹沢自然保護協会会員&学生スタッフなど

【参加者・持ち物】
履物は登山靴かスニーカー、もしくは長靴など、履き慣れているもの
筆記用具 着替え タオル 洗面用具 雨具 軍手 懐中電灯 
帽子 水着 ビーチサンダル 双眼鏡&ルーペ(持っている人)   
都会とは気温差があります。衣服にご留意ください。
なお、飲み物やお菓子、果物などは、こちらで用意しますので、参加費と自宅から秦野往復の交通費以外、「お金」は必要ありません。

なお、計画予定は天候などにより、変更されます。


 
森の学校・夏の教室・活動報告


教室の内容は、自然体感・観察・調査・学習と続きます。頑張れば、小学生でも大人顔負けの植生調査が出来ます。植物の再生は丹沢自然再生の指標の一つ。狭い調査地の中で、ヤマヒルをものともせず?、植物の種別、占有する割合を数えます。



・・とは言っても、やっぱり気になるヤマヒルちゃん。つい足元に目がいきます

リョウブが、太いイタヤカエデの幹から、こんな幼虫を見つけました。気持ちわる〜い。と言ったのは校長で、見つけたリョウブは指先でコネ回していました。

冬の教室で、テンの糞から採取した未消化の種をコップの土に撒きました。そこから、サルナシなどが育っていました。木や草花が種を飛ばすだけでなく、クマやテンも、森を創る動物だよ・・と、校長が言ってましたが、その意味が解かりました。

冬の大雪で大木が何本も倒れ、そこにギャップ(森の空間)が出来ました。
そこには、次の森を作る木の子供(実生)がたくさん生えています。その観察をするため、モミの森へ入ります。
「雨が降ってるし、ヒルがいっぱい居そうだな〜」。と言うと、「ヒルは人間が運ぶんだよ、人間が歩かない場所にヒルはいない!」。と、校長が言いました。
みんな半信半疑でしたが、ホントに一匹もいない!。モミの森の中でゆっくり実生の観察が出来ました。

モミやカヤ、カエデやシデなど、足の踏み場もないほどに一面の実生でした。
長澤先生のお話の後に、「倒れた木が、もうすぐの私。元気な実生が君達」と、校長が言いました。

少々の雨なら大木の枝が傘になります。ここで一休み。この場所にもヒルは一匹も居ませんでした。

帰り道に、タツヤとリョウブとカルアがシカを見ました。小シカがお母さんシカのおっぱいを飲んでいました。
僕たちに気づくと慌てて森の中に駆けて行きました。」

自然体感は川歩きから。遊びながら、生き物探しもしよう。

サワガニ、タゴガエル、石にヘバリついたカワゲラのヌケガラもたくさん見つけました。

小学生のイツキが太い蔦で遊んでいたら、中学生のリョウブが腰掛けてブランコ。
結局、タ〜ザンのように、一番楽しんでいたのは、高校生兼スタッフのタツヤでした。

こんなに狭い淵ですが、モトヤの背がたちません。次に挑戦したカルアは、2m進んでビビリ、戻りました。

タップリ遊んだ後は「生き物マップ」の制作。「ア〜、また泳ぎに行きて〜」と、モトヤが叫んでいました。

赤ちゃん樹木(実生)の実技試験です。
「イタヤカエデ、ケヤキ、次はイヌシデ。ハイ、見つけてください。」と、村上先生。
毎回参加する子も初めて参加する子も、みんな正解、ビックリです。
「ところで、リョウ、カルア、出来たの?」「ウン、もう終わった」・・って、ホントかな?

「エ〜っ!またテスト?」。「そうだよ、忘れないうちにね」
「でも、これすごいな〜。ホントにウンコから生えてきたのかな〜」

講師に県自然環境保全センター研究企画部の越地さんをお迎えして、
初めての子達を中心に土と水の学習を行いました。
まずは土の断面を観察。下層は赤色で上層は黒色の土、更に上には落ち葉層、
それぞれの特徴や役割を探ります!

乾いた土をふるいに入れてよく振って〜、
いろいろな大きさの粒で出来ているのが良く分かります。

下層の土を洗って、鉱物の宝探しに挑戦!
越地先生にコツを教えてもらい…、みんな夢中です。

今度は魔法のような実験。土と青色の水を混ぜてしばらくすると…!
「色が薄くなった!」「養分をくっつけ蓄えたり、水をきれいにする働きがあるんです」と先生。
では、砂・土・粘土の3種類で比べたらどんな結果になるかな〜?

最後は森林の土・裸地・川砂の3種類に雨を降らせる実験です。
振った雨水はどうなる?どんな違いがある?目が離せません。

いろいろな実験を通じて、土の役割と健康な森林について学ぶことが出来ました。
越地先生、ありがとうございました。

参加する高校生兼スタッフは、初めての子達が土と水の学習をしている間に、間伐作業(伐採)をしました。
切った木は、こわれた経路の修復に使います。
身体を使う作業は、汗ビッショリで疲れます。でも、気持ちいいです。

タツヤが切った木を運び出す時、「オマエ、なんちゅう担ぎ方してるの、それじゃ疲れるよ。
担ぐのは、こうやってバランスをとって、こうして肩に乗せて・・」と、校長がお手本。
「へ〜、すげ〜。でも校長、歳だから腰に気をつけて」と、労わられました。

「私達か弱い女の子だから、二人で持とうね」とケイカ。
運び出しが終わった後に、「もっと筋肉が欲しい」と、ヒロエ。
ドロドロになって作業していたら、たまたま仕事に着ていた県有林の課長さんに褒められました。

作業が終わって戻ったら、今度は葉っぱ採取。樹種名を覚えながら、葉っぱ図鑑をつくります。
「そのイヌブナ、高枝で取って」と長澤先生。「もっと左、そこじゃないよ」と、タツヤ。
「見てるほうは楽だよな〜」と、マコト。

さ〜!、葉っぱ図鑑に挑戦!。結構真剣です。絵心のある、アサカとチカ。
隣は結構大胆なイツキにリンにモトヤ。ジ〜っと葉っぱ片手のリョウ。
どんな図鑑ができるでしょうか。

葉っぱ図鑑の完成です。隣は2010年制。丹沢ホームの玄関にあります。見て下さい。

やっぱり自由時間は楽しいです。いちばん騒いでいるのは、スタッフ見習い中の高校生です。

二日目の夜はアニマルウオッチングで、ムササビを観察しました。
事前に、柳川先生から話を聞いていましたが、夜の19時、巣穴から3頭のムササビが出てきました。
高い杉のテッペンまで駆け上がり、どこかへ飛んで行きました。

三日目の夜は、夏の教室恒例の「暗闇教室」。
そこたへんのナイトウオークとはチョイ違う。肝試しとは、まったく違う。でも、初めての子は「マジで、恐い!。ホント恐い!。
やめて行かないで!」と、叫ぶ子もけっこう居る。忘れていた感性が研ぎ澄まされる瞬間である。今年は全員が一人での体験した。

教室の締めくくりは、感想文。二日目の「振り返りテスト」と同様、中身のある感想文です。
興味のある方は、丹沢自然保護協会・会報9月号をご覧下さい。

最終日、熱を出して寝ていたカルアですが、「どうしても葉っぱ一枚・・」と・・。
楽しい夏の教室も終わりました。次は冬の教室で会いましょう。